性格でガンになるって本当?

誰もが恐れる病気である「ガン」。「性格」が、このガンのリスクを高めることを明らかにした人がいます。アメリカの心理学者リディア・テモショックとサイエンスライターのヘンリー・ドレイアです。

彼らは150人以上のメラノーマ(悪性黒色腫)患者を面接し、その約4分の3に次のような共通の性格的特徴があることを認めました。

1 怒りを表出しない。過去においても現在においても、怒りの感情に気づかないことが多い。
2 ほかのネガティブな感情、すなわち不安、恐れ、悲しみも経験したり表出したりしない。
3 仕事や人づきあい、家族関係において、忍耐強く、控えめで、協力的で譲歩を厭わない。権威に対し従順である。
4 他人の要求を満たそうと気をつかいすぎ、自分の要求は十分に満たそうとしない。極端に自己犠牲的になることが多い。
『がん性格 タイプC症候群』L・テモショック、H・ドレイア著、岩坂彰、本郷豊子訳(創元社)より引用

この4つの特性からも見て分かるように、いわゆる「いい人」タイプです。

彼らは、アメリカ人医師のフリードマンとローゼンマンが定義した「タイプA」(攻撃的、仕事熱心、苛立ちやすい性格で、虚血性心疾患のリスクを高める)、タイプAと対極的な「タイプB」(感情を素直に表現でき、リラックスしてうまく付き合える性格)と比較し、このガンのリスクを高める性格を「タイプC」と定義しました。