症例によって変わる抗がん剤の使用法

抗がん剤にはたくさんの種類があり適応となる病気も様々。患者さんに適切な抗がん剤の組み合わせや投与方法、投与量を決める上では、基礎的実験のデータや臨床試験のデータをもとに詳細分析が行われます。

たとえ同じ部位のがんであっても、同じ抗がん剤が処方されるわけではないのです。

また、これらの薬の多くは海外の製薬メーカーが開発するため、最初の臨床試験は海外で行われます。欧米で医薬品として認可を受けても、日本での許可がなければ保険診療として使用することができません。安全性を確認し、日本人の場合の適量を決定し、日本の厚生労働省から医薬品としての認可を受ける必要があります。申請から認可までに非常に長い時間がかかってしまうことを近年では「ドラッグラグ」と読んで、問題視されています。

いずれにしても、技術の進歩に伴って位置づけが変わりつつある抗がん剤治療。がん治療のさらなる成績向上が期待されます。